「他の故郷」なんてどこにもない

毎週配信メルマガ「賢者の会」通信はこちら

「私たちは兄弟同然であるが、平等ではない」
「2つの声が合わされば、
声はより強固なものとなる」

こちら先日授賞式が行なわれた、
97回アカデミー授賞式の長編ドキュメンタリー部門で
「サプライズ」と驚かれるオスカーを受賞した
『ノーアザーランド』の共同監督。
ユバル・アブラハームさんの言葉。

サプライズというのは、作品は素晴らしいものの
ユダヤ人の多いハリウッドの映画業界で、
イスラエルへの批判をこめた作品だったから。

にもかかわらず、受賞したのは、
平和へのメッセージ性を重視したからなのでしょう。

なんせアブラハーム監督は、イスラエル人の監督
そのイスラエルの監督が、
わざわざ会いに行き、
「一緒に映画を撮ろう」ともちかけたのは、
パレスチナ人居住区で動画を配信し続けてきた
バーセル・アドラーさん。

対立している民族同士で、
ガザでは戦争をしていた両者ですが、
その2人が占領下でお互いの敵と向き合うながら
映画を撮影していく様を
ドキュメンタリーではありのままに表現したそうです。

これ、すごいな……と思うのは、
宗教の違いもあり、
ずっと争ってきたユダヤ人とパレスチナ人。

ガザの例でも見たように、
イスラエルの政権は、パレスチナ人を
「人間として見ていない」ようなところさえ
感じられられたわけです。

でも、そんな対立が続いている一方で、
こんなふうに「敵対している」はずの人間同士が、
共同で素晴らしい仕事を創る努力を
続けていたということ。

人間同士、「わかりあえないこと」なんて、
絶対ないんだ!……ということを
期待させるエピソードですね。
未来に希望がわいてきます。
ぜひ映画は観たいものだ……。

結局、対立が続くのは、
私たちに「相手を理解しよう」という気持ちが
欠けているからなのでしょう。

誰かの言葉に怒ったとき、
人と対立しそうになったとき、
必要なのは冷静に相手の言葉を聞き、
「なぜそんなふうに思うのだろう」ということを
よく考えることかもしれませんね。

関連記事

ページ上部へ戻る