「偏愛」と自動車

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4月8日火曜日の夜は
「賢者の会」を開催します。

今は「皆で魅力的な本を作ろう」という
プロジェクトが始まっていますが、
そのテーマに据えるのが
「偏愛」ということは紹介しました。

それぞれが自分の「好き」を語り、
編集力や企画力を思う存分、
発揮したらいいのではないか……?

昔あった『PEN』という雑誌
彷彿させますよね。

そこで画像は、私の偏愛の1つ、
フランスの「プジョー」という会社の車です。

古くから私を知っている人は、
長くブルーの「407」という車を
愛車にしてきたことをご存知かも。
左のミニカーが同車種ですね。

とにかくこの車の不自然なほど
ゆるい角度のフロントガラスで
縦横に広がった視界を見ながら運転するのが、
大好きだった私。
語ろうと思えば、
何ページでも語れるのではないか。

残念ながらパリでテロのあった日。
テロではないでしょうが、
信号無視のハーレイがサイドに突っ込んできて
全損してしまいました。

その後はずっと「208」という
コンパクトカーに乗ってきたのですが、
右はその車ではなく、
RCZという、かつてあったスポーツカーですね。

いずれにしろ、
「偏愛」の象徴の一つが自動車だったと思うのですが、
時代は変わりつつあります。
とくにトランプさんの関税政策で
世界中の自動車メーカーは、大打撃を受けそうな気配。
アメリカの車も含めて(笑)

こんな関税政策が実現してしまうのも、
車がいまや「ブランド」ではなく、
単純に価格で選ばれる時代に
なってしまっているからでしょう。

だいたい多くの国で、車に乗る人口は減っています。
都会生活に必要ないし、
レンタルやシェアのビジネスが進み、
EVどころか自動運転車の時代になれば、
だんだんと車を持つメリットも
少なくなってしまう。

だから単純に外国車の値段を上げれば、
国産車を買うだろう……という話になるわけです。

実際、日本のアメリカ車に関していえば、
周囲でフォードだのキャデラックだのを
見ることはほとんどなくなっています。

あるととしたら、マスクさんの「テスラ」ですが、
さまざまな要因から、
世界では中国車に抜かれる状況が、
もう起こっています。

つまりは、ベンツやBMWのような
ブランドで選ばれる車には、
なかなかなれていないわけです。
ならば「中国の車のほうが安くて、性能がいい」
となれば、すぐ逆転されてしまう。
残念ながら、世界中の自動車メーカーで、
多くの車が「偏愛」の対象にはなっていません。

だから日産の車が買われなくなったし、
私が偏愛する「プジョー」も現在は同様でしょう。

実際、いまのプジョーは
イタリアのフィアットグループと合併し、
巨大な「ストランティスグループ」となっています。
するとフランス車とイタリア車の車の違いすら、
もうなくなってしまう。
そういえば、「アルファロメオ」という車は
路上でなかなか見かけなくなりましたよね。

悲しいですが、できるだけブランドは統合し、
これから世界はEV車の時代に備えていくのでしょう。

その点はトヨタのような大会社も同じで、
自動車の市場は、これから縮小せざるを得ない。
でも、案外と日本は車に対し、
「偏愛」の文化を持っています。

しかもフェラーリやポルシェのような高級車でなく、
もっと庶民感覚の車で。
それは「軽自動車」の市場ですよね。

むろん地方で軽自動車をマイパートナーにする文化は、
どんどん縮小しているのも事実でしょう。
でも、通勤・通学から老後の買い物まで、
使われる機会は今でも多いし、
「アルト」だの「シティ」だの「コペン」だの、
「名車」とされる車は多いわけです。

むしろ、こっちの分野で開発力を高め、
文化やライフスタイルまで含め、
海外に普及させていくほうが
日本にはいいのではないか。

案外と「偏愛」というのは、
ビジネスにも重要かもしれませんね。

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