本当の友人はどこにいるのか?

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とりとめもない映画の話……ですが、
アマゾンプライムで観た
『ザ・クリエイター』という映画。

日本人では渡辺謙さんも出ていた、
ヒット映画です。
中身は賛否両論ですが、
AIが意思をもって動き回る
じつに不思議な世界を描いています。

何よりこの映画には、
東洋と西洋世界の分断が描かれます。

AIが核兵器を誤射したことから、
アメリカを中心した西洋世界はAIを禁止。
一方で東洋世界は、
AIがアンドロイド化し、
人間と仲良く暮らしています。

なぜに……?
という、あまりにも不可思議な
東南アジア+手塚治虫的な東洋の設定ですが、
西側世界は、東側のAIを一掃しようと
戦争をしかけているわけです。

その中で物語は
西側のスパイとして忍び込んだ男性と、
その恋人がつくった世界を変える可能性のある
「アルフィー」という名の子供のロボットとの
心の交流を描いていきます。

不思議なのは、
あまりに登場するロボットが人間的で、
愛情をもって描かれるのに対し、
西洋世界の人間たちが暴力的なこと。

だから優しいロボット世界が描かれて
めでたしめでたしとなるのですが、
「果たして本当にそれでいいのか」という
議論は起こります。

いくら心があっても、ロボットは機械。
かつてアシモフは、 AIの未来に、
「ロボット3原則」という約束事を想定しました。

1.ロボットは、人間に危害を加えてはならない
2、ロボットは、人間から与えられた命令に
服従しなければならない
3、ロボットは、前掲第一条及び第二条に反する恐れのない限り、
自己を守らなければならない

SFの世界では常識ですが、
AIともに生きる東洋でもこれは守られていて、
ロボットたちも西洋世界を攻撃することができないでいる。

でも、意味を最後まで明かされることのない
「世界を変えるAI=クリエーター」の意味が、
この原則を破れることだったらどうなるのだろう?

本当は人間同士、西洋と東洋の
人間同士がもっと話し合うべきでは
……と考えれば、
案外と私たちは身近な人間同士の
価値観や能力を認め合うことを怠り、
安易に技術や効率性に頼るばかりを追求していないか
という別の問題も頭をよぎります。

そこまでホラーな未来を
意識されている映画なのかはわかりませんが、
最後のシーンには、
少し考えさせられる映画でしたね。

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