
「哲学者の仕事は、
神が人間の理性に許しもうた範囲において、
あらゆる事物について真理を探求することであり、
その思想は愚人の判断に従うべきではありませんが、
正義と真理に全く反する意見は避けるべきです」
自身の仕事を、天文学でなく
「哲学」と定義している科学者。
先日はガリレオの言葉を紹介しましたが、
こちらはその、およそ100年前。
1473年の2月19日に生まれているそうです。
生誕552年。
地動説の生みの親とも言える人、
ニコラウス・コペルニクスの言葉ですね。
私の『奮い立たせてくれる科学者の言葉90』より
引用しました。
私たちの住んでいる地球は、
宇宙の中心などではまったくない。
太陽の周りを自分で回っているんだ……。
「コペルニクス的転回」なんて言われたほど、
世の中の常識をひっくり返す説。
当時の教会が認めていた学説にも反します。
先日、ブログに書いたように、
ガリレオ・ガリレイはそれを唱えたため、
壮絶な人生を歩まざるを得なくなったわけです。
その100年も前に常識をひっくり返そうとした
コペルニクスは、
さぞ大変な思いをしたのではないか……?
ところが意外と放置され、
著書『天球の回転について』も、
発禁にされることはありませんでした。
もっとも売れはしなかったのですが、
ガリレオは丹念にこれを読み、
たくさんのメモを残しているんですね。
なぜコペルニクスが問題にされなかったかといえば、
仲間たちのお陰なんです。
そもそもドイツ支配下のポーランドで
神父と医師の仕事をしていたコペルニクス。
かたわらの天体観測で地動説の理論を固めましたが、
それを発表することはありませんでした。
これをけしかけて、
「本にして出版しなよ」と促したのが、
同じく多くは聖職者だった仲間たちだったんですね。
せっかくの彼の研究を世に知らしめたい。
そのうえで彼は敬虔な人間であり、
神様を否定しようなんてまったく考えてないことを
仲間たちが説き回ります。
比較的、宗教にも寛容だったドイツであり、
ポーランドの田舎にいる学者の本。
「まあ、いいんじゃない」ということで、
この禁断の書は放置されたんですね。
だから後にガリレオなどがこれを読み、
科学の世界を変えることになりました。
仲間たちあっての、奇跡でした。
そう、仲間がいれば、奇跡も起こる。
本日は夜の7時45分から、
リモートの「賢者の会」が開催されますよ!