今でも輝く「ガスの灯り」

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こちらは東京メトロ「京橋駅」の近くですが、
銀座通りに立っている塔のようなものは
かつての「京橋」の橋脚だとのこと。

そして隣でぼんやりと輝いているのは、
今も残っている
「ガス灯」なんですね。

光っているのか、色をぬっただけなのか
よくわからない。
夜でも明るい銀座の街で、
すっかり埋もれそうなほどの弱い光ですが、
かつては銀座通りを
この灯りで照らしていたらしい。

ぼんやりした光が、蝋燭の灯明のように、
橋を照らしている光景も
想像すると雰囲気がありますよね。

「ガス灯」というのは、
現代人がほとんど遭遇する機会も少ないと思います。

18世紀末にイギリスの技術者、
ウィリアム・マードックによって発明され、
雨が降っても、風が吹いても、消えない街灯として、
またたく間に世界各国の都市で
使用されるようになりました。

やがて明治維新を迎えた日本にもやってきて、
銀座の通りも、
ガス灯で照らされるようになったわけです。

ただ、近くでは気づきませんが、
ガスに使用する硫黄やアンモニアの臭いが
街灯の近くには漂っていたとのこと……。

おまけに燃焼事故も結構あり、
暗いし、臭いし、危ないし……で、
欠点も多かった当時の最新技術。
100年もしないうちに
エジソンが「電灯」を完成させ、
世界のほとんどの街灯は電灯に変わってしまいました。

よって「ガス灯」は、
ほんの短い間だけ世界を席巻した、
レア技術のようなものになったんですね。
だから現在は、こんなふうに
「レトロな雰囲気」をつくる装飾品として
むしろ使用されています。

100年とか200年前の技術すら、
そんなふうに目まぐるしかったわけです。
現代の技術にも、
こんなふうにすぐレア化してしまう技術は、
たくさん出てくるかもしれません。

私たちもそれを覚悟して、
「最新のテクノロジーに使われないようにする」
ということが重要なのでしょう

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