旧石器時代はいつ始まった!?……「明石原人」の謎

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「明石原人」というのを、ご存知でしょうか?

兵庫県の明石に住んでいた「原人」……。
もっとも「原人」といえば、
ジャワ原人や北京原人のように
普通はホモ・サピエンスに進化する前の
人類の祖先を意味します。

正体が不明の明石原人は現在、
「明石人」と通常は呼ばれていますが、
今から90年以上前の1931年4月18日、
アマチュア考古学者だった直良信夫さんが
海岸にあった更新世の地層から
人骨の一部の化石を発見しました。

人骨が発見された地層は、
およそ8万年前から6万年前という古い時代の層。
そこで縄文時代のずっと前、
旧石器時代から日本の明石には、
人類が存在したのでは……と、
大きな話題になったんですね。

学会からは大反対でした。

当時の学会では
「縄文時代より前に、日本には人間が住んでいなかった」
という説が主力。
アマチュアだった直良さんの主張が
通るわけもありません。

だから直良さんは上京し、
早稲田大学で古生物学を学び、
自説を証明するために
本格的な研究者への道へ乗り出すます。

ところが日本は太平洋戦争を始めてしまいます。
1945年には東京大空襲があり、
保管していた明石人の骨は
完全に焼失してしまったんですね。

歴史のミステリーになってしまった明石人……。

直良先生が残した研究資料の再調査は
現在も行なわれていますが、
何より戦後の発見によって
日本に縄文時代以前の旧石器時代があったことは
すでに証明されています。

ただ、今のところ日本で旧石器時代が始まったのは、
およそ4万年くらい前とされ、
それ以前の石器は確認されていません。

すると、それより古いと考える明石人たちは、
果たして何者だったのか?
駆逐されてしまった先住者なのか?
謎はさらに深まっているわけですね。

画像は明石人でなく、
イメージで「はじめ人間ギャートルズ」。
マンモスの肉は憧れでしたね。

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