基本にかえって堅実なビジネスを!
- 2012/12/5
- 読書日記
- ビジョナリー・カンパニー
今回取り上げる本は、
『ビジョナリー・カンパニー4
……自分の意志で偉大になる』
(ジム・コリンズ+モートン・ハンセン著、
日経BP社)
言うまでもなく、かつてのベストセラー
『ビジョナリー・カンパニー』の
シリーズ4作目ですね。
強力な理念をもった企業が勝利する
……そんな理論で絶賛された最初の本、
ですが、時が流れると、
そんな「偉大だったはずの企業」にも、
没落する企業が出てくる。
「えっ、じゃあ理論、ウソじゃん」
となりそうなんですが、
そこはジム・コリンズ。
豊富なデータを検証し、今回は
「環境の変化にも強い、真の偉大な企業の条件」
を科学的に分析しているわけです。
なので、なるほど今回は少し、
「堅実さ」に焦点を当てています。
20マイル行進……急成長より確実な成長を目指す
銃撃に続いて大砲発射
……大きな挑戦の前に小さなテストを繰り返す
死線を避けるリーダーシップ……厳格な規律を守り続ける
具体的な整然とした一貫レシピ
……変化に対応しながらも変えない部分には固執
運の利益率……いつも「最悪」に備えている
象徴的なのは、冒頭で紹介されている
20世紀初頭に南極点の初制覇を目指した
2人の探検家。
ノルウェー人のアムンゼンに先を越されたうえに、
帰り道で食料も尽き、
帰らぬ人となったイギリス人のスコットが、
映画などになり、
「悲劇の探検家」として有名です。
でも、じつはアムンゼンのほう、
自転車でのトレーニングを積み、
連れていく犬を鍛え、
イルカを生で食べる食事に慣れ、
なおかつ食料を大量に余分に持っていき
……と、ずいぶん用意周到だったんですね。
それに対してスコットは、
ぶっつけ本番で馬を連れていき、
みんな使えなかったわけです。
生き残るためには地道な努力が必要
……なんですね。
まあ大ベストセラーの続編ながら、
あまり話題になっていない本書。
それもそのはずで、今年はとうとう
「本のミリオンセラーのない1年」
になってしまいました。
オリコン調査初というけど、
ここ一〇数年でも珍しいのではないだろうか。
「ミリオン100万部」というのは、
本の場合、売れ部数でなく、
「刷り部数」です。
だから「本が売れない」だけでなく、
出版側にも、
それだけの体力がなくなってきている
……のかもしれませんね。
まあ関連業界に生きる私たち、
いよいよ「厳しい環境」に
備えるべき時代に入ってきました。
うん……どうしましょうかね(笑)
結論は電子出版を盛り上げよう……かな。
ということで、この賢者の書店、
来年に向けてどんどん盛り上がっていきますよ!