「遅咲きのドン・キホーテ」の生涯
- 2021/4/23
- できる人研究所
- words of wisdom, 君はこの言葉を知っているか
昨日、4月23日は、
「サン・ジョルディの日」と紹介しました。
「本とバラ」を人に贈る習慣があるのは、
作家のセルバンテスと、
かのシェイクスピアの命日だからとか。
ただ後者は本当かどうか、よくわかりません。
☆
そこで今日は
ミゲル・デ・セルバンテスさんについて
紹介してみたいのですが、
16世紀から17世紀に活躍した
スペインを代表する国民的作家。
でも、『ドン・キホーテ』以外の作品は、
あまり知らないですよね。
それもそのはずで、
この方が『ドン・キホーテ』でデビューしたのは、
58歳になって。
さんざんに過酷な人生を過ごしてからの
遅咲きデビューだったんですね。
☆
彼の生まれは商人の子で、
父の事業がうまくいかず、貧乏な境遇でした。
それでも「紙切れを見つけては読んでいた」というくらい
読書好きだったんですね。
青年になり、てっとり早く給料がもらえた仕事は軍隊。
海軍に入り、各地を転戦しますが
結局、片手の自由を失い
捕虜にまでなるという散々な人生。
それで除隊後、徴税官の仕事を得るのですが、
「お金を預けてきた銀行が破綻する」
という不運に見舞われたそうです。
職を失った末に借金も背負い、
監獄に収監されることを余儀なくされたとか。
これが50代のころですが、
つくづく不運な人生を歩んできた人だったんです。
☆
それでも「文章を書くこと」だけは大好きで、
捕虜になっても、受刑者になっても
いつか出したい小説の原稿だけは
ずっと書き続けました。
変化する時代の中で、
必死に騎士としての誇りを守ろうと
あがき続ける男の物語。
それは自分の人生を、
ちゃかしたような作品だったんですね。
☆
せっかくの『ドン・キホーテ』の大ヒットでも
セルバンテスは版権をすぐに売ってしまい
生涯、貧乏暮らしから抜け出せなかったそうです。
でも、陽気な人々に囲まれ
有名になってからはほんの十数年ですが
満たされた生涯を送りました。
あきらめずに夢を追い続けたことが
晩年の幸福を呼び寄せたんですね。
「人生は、1枚の銀貨のようなものだ。
それをどう使おうと勝手だが、
使えるのはたった1度きりである」
そんな言葉を残しています。
[Words of Wisdom〜君はこの言葉を知っているか?]