「ひなげしの花」に残る人の思い
- 2021/4/27
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何気なく辺鄙なところにポツンと咲いた
可愛らしいオレンジの花。
あまり花の名前に詳しくない私です。
調べてみて、「ああ、なるほど、これか」と思う。
「ひなげし」の花、ですね。
世代ではないけど、
アグネス・チャンさんが歌った花。
英語で言う「ポピー」。
フランス語で「コクリコ」ですね。
☆
世界的に広がっている花ですが、
こんなふうに荒野などに、ポツンと咲くことが多い。
するとこの世界は、
「あらゆる場所が戦場になっている」ものですから、
その地で亡くなった人と結びつけられたりします。
とくにヨーロッパでは第一次大戦後から、
戦没者の魂を象徴する花として
考えられているんですね。
フランスなどは、この花を国花としています。
☆
一方、東洋ではこの花の通称が有名。
「虞美人草」ですね。
夏目漱石の小説名になっていますが、
そもそも「虞美人」とは、古代中国の武将、
「項羽」の恋人だった女性です。
☆
項羽というのは、
「漢」の国の建国者、劉邦に破れます。
彼に伴って従軍していた虞美人は、
敵に包囲された段階で、ひと足先に自害をしました。
それ以来、彼女の死地で
赤い花が毎年、咲くようになった。
これがヒナゲシが
「虞美人草」と言われるようになった由来ですね。
☆
こんなふうに、
亡くなった人の思いを乗せて咲く連想を抱く、
どこか寂しい花。
ちなみにこの場所も、よく見ると隣は病院。
今はコロナ患者さんの専門病院になっています。
ただ、生命力のある見かけは、
「寂しい」というより、
ひっそりとエールを贈っているようにも
見えてきますね。
[仕事ができる人の歴史入門]