英雄を忘れない!
- 2021/5/18
- できる人研究所
- words of wisdom, 君はこの言葉を知っているか?
「たとえですね、明日死ぬとしても、
やり直しちゃいけないって誰が決めたんですか?
誰が決めたんですか?
まだまだこれからです」
刑事ドラマ『古畑任三郎』より。
自分自身を殺す、壮大な自殺計画を試みた犯人に
古畑任三郎が言い放つ言葉です。
そういえば記憶にあります。
ドラマで演じた主人公たちを思い描くと、
私たちはついつい、
その人たちが永久に存在するものと勘違いしてしまう。
それだけに大きなショックでした。
まさかの、俳優、田村正和さんの死去。
その昔は、みんなそのモノマネをしたものですが、
最近はずっと姿を見ていなかった。
闘病生活をしていたんですね。
弱い自分を見せてしまうと、
ドラマで演じてきた人物たちの印象を損ねてしまう。
そんな気持ちからでしょう。極力人前に出ることを避け、
ひっそりと最期のときに備えていました。
それも田村さんにとっては、あるべき形だったのでしょう。
☆
実際、田村正和さんは、
自分が演じる役のイメージを守るため、
素の自分を徹底的に見せないよう
努力していたそうです。
人前で食事をせず、
俳優同士で馴れ合うことはしない。
仕事もドラマ以外はほとんどやらず、
ただひたすら。
演じる役柄になりきることに没頭しました。
それだけ「演じる仕事」をする自分自身に厳しくあった。
誇りをもって仕事をしていたのでしょうね。
なんでも数少ない田村さんの趣味には、
「時代小説を読む」というものがあったそうです。
サムライの役も多くありましたが、
自身の仕事にも「武士道」を見出していたのだと思います。
☆
そういう数少ない武士道の体現者が
世を去ってしまうのは、本当に寂しいこと。
私たちはその仕事へのリスペクトを決して忘れず、
演じていた英雄たちの姿を
永久に保存していきたいですね。
[Words of Wisdom〜君はこの言葉を知っているか?]