西村京太郎先生の仕事、「好きだから」できること
- 2022/3/7
- できる人研究所
ウクライナのことや、コロナのことで、
あまりニュースが目立たなくなっていますが、
小説家の西村京太郎先生が、
お亡くなりになっていたんですね。
享年、91歳。本当におつかれさまでした。
何よりすごいのは、その著作量ですよね。
現時点で619冊が、世の中に出ているそうです。
ほぼ月に1冊のペース。
私のようなビジネス作家ならともかく、
1つひとつトリックの違う
推理小説の世界でその分量です。
ほとんど作業は1人でやっていたそうですから、
相当の仕事量だったのではと思います。
そのせいか初めて結婚されたのは、
70代になってだとか……(苦笑)。
にしても、西村ミステリーといえば、
なんといっても「電車」です。
電車の乗り継ぎ時間に生じる、
わずかなタイミングに殺人事件が起こったりする。
これ、とにかく丹念に時刻表を見るんだそうですね。
すると日によって違うズレや、
なぜか長すぎる停車時間など
イレギュラーな要素が必ず見つかる。
その時間から、
ストーリーを想像していくわけですね。
東京から温泉町に女性が1人で来て、
その時間に事件を起こした。
一体なぜ……?
なんていうふうに。
イメージのパターンができているから、
ストーリーが出やすいのでしょう。
それにしても月1冊は、尋常でない気がしますが。
とはいえ、西村京太郎先生は、
最初から「作家になりたい」と
思っていたわけではなかったそうです。
15歳までは戦中で、GHQの統制下で
人事院に就職します。
その仕事が「面白くないな」と感じ、
30を前にして「作家になる」とやめたそうです。
経済的には困窮していましたが、その後、
『ブルートレイン殺人事件』が
当時の流行に乗り大ヒットしたことで、
ほぼ専門のトラベルミステリー作家になります。
「求められるものを書いていこう」と開き直ったことが
成功のポイントになったんでしょうね。
自分に一番向いていることと、
方法を確立したこと、それに好きだったことが重なると、
こんな相乗効果も起こるのでしょう。
不況下でも出版界を盛り上げてくださった大先輩が
お亡くなりになったのは残念ですが、
下の人間はとことん学んでいかねばいけませんね。
画像は懐かしい、ファミコン版ですね。
さぞ稼ぎもしたんだろうなぁ(笑)