11回目の再出発
- 2022/3/11
- できる人研究所
今年も3月11日がやってきました。
画像は震災の翌年に取材で訪れた、
陸前高田の「奇跡の一本松」。
あれ以来、行っていないのですが、
いまあの地はどうなっているでしょう?
もう東日本大震災から、11年なんですね。
毎年のように、あの年を振り返り、
「頑張ろう」と気持ちを切り替えるのも、
もう10回目になっているわけです。
そう言うのも、私にとっては
人生のステージが変わった大きな年に
2011年はなりました。
もちろん、東京にいた私は、
直接、被災したわけではありません。
すぐにその年の春には復興支援に行きましたが、
関わりは間接的でしかない。
そのうえでは東北の方々や
福島の方々と比べるようもないでしょう。
ただ、それ以前から不況が続いていた出版業界でした。
仕事はずっと少なくなっていたのですが、
この年から仕事の落ち込みが決定的になります。
そこで復興支援で家を失った多くの方々と出会ったこともあり、
私は恵比寿にあった事務所を引き上げ、
皆でやっていた仕事はすべてリモート化。
あとは実家の一室を借りて、そこを仕事部屋にし、
再起を図ることにしたわけです。
それから11年目になろうとしているわけですね。
だから、今でも私の目標は、
「仕事のレベルを震災前に戻すこと」。
忘れたことはありません。
なんせ今でも部屋を見回せば、
当時の荷物が段ボールに入ったまま眠っていたりします。
そこだけ時間が止まったかのよう。
ただ、奮起するのはいいけれど、
だんだんと「どうして自分が
恵比寿のオフィスを維持できたのだろう?」と
信じられないくらいにもなってしまう(苦笑)
読者さんが毎回のように本を買ってくださる、
いい時代だったんでしょうね。あの頃は……。
振り返るたびに震災前とのギャップを感じ、
自分の力不足を責めていたことが多かったのですが、
変わったのはここ数年、新たな脅威である
「コロナ」を迎えてからでしょう。
なんせヤツは、なんとか再起を図ろうと
細々とやってきたコミュニティ活動まで
ほとんどぶっ潰していきやがったわけです。
これが事務所も持っていて
経費もやたらとかけていた時代だったら
さすがに私もブチ切れていたでしょう。
でも、最悪を超える最悪の中で、国の支援に頼りながらも、
なんとか「会社を守ること」だけはやってきた自分を
最近は評価するようになっています。
これでも持ちこたえるんだから、
たぶんチャンスは何度でもやってくるだろう、なんて。
もちろん、仕事をくださる皆さんが、
確実にいることも大きいですよね。
幸いにも4月には
やっと止まっていた自分の本も出せる。
コロナももう、いい加減、
終息には向かっていくでしょう。
これからですよね。
自分自身の復興を少しずつ感じながら、
また新しいステージに臨んでいきます!