戦車とジオング

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兵器に対して「不謹慎だ」と怒る方も多いでしょうが、
プラモデル世代の男の子ということもあって
私は「戦車」というものに
それなりの憧れを持っています。

だから仕事部屋には、
ちゃんとプラモデルも飾ってあったりする。
塗りがあまりキレイではありませんが、
ドイツのタイガー2式、
いわゆる「キングタイガー戦車」ですね。
最強の戦車と言われながら、
あまり活躍の機会はありませんでした。

そんな時代から傾向はあったのですが、
ウクライナの戦線では、
「戦車」がほとんど機能していません。
ロシアの高性能戦車が、ことごとく破壊されていますね。

先日は渡河中の戦車70台以上が、
いっぺんにアメリカの榴弾砲に
破壊されることもありました。

ただ、その前から
億単位の値段がする戦車が、
女性兵士が担いだ手持ちの戦車砲で、
ことごとく破壊されたりもしています。

かつてテレビシリーズの『機動戦士ガンダム』で、
敵の将軍であったシャアが、最後に乗ったモビルスーツが
「ジオング」という国家の名を呈したものでした。

見ての通り、シャアはこれを見てすぐに言います。
「足がないじゃないか!」

「モビルスーツ」というのは
「人が乗り込む巨大ロボット」ですが、
二足歩行でのっしのっしと大股で歩くのが定番。

でも、開発者からすれば、
「足をつけてもスピードが遅くなるだけでしょ」と、
至極もっともなわけですね。
空を飛べるなら、
わざわざ地上に足を降ろすこともない。
まあ、開発途中だったこともあるのですが、
「無駄は極力、排除しよう」ということです。

戦車も同じで、威圧的な効果は高いものの、
同じくらいの威力の砲台を歩いて運べるならば、
キャタピラでガタガタ走っていくより
よっぽど効率はいいわけです。

向こうからの攻撃も交わせないし、
破壊されたら、
それこそ進行を妨げる障害物にしかならない。

むろん占領した街に行進していくような
心理的パワーはあるものの、
小型の強力な兵器が続々と登場している現代にあって、
「形骸化した過去の遺物」になっていることは
多々ありそうですね。残念ながらですが。

考えてみれば、戦場の戦車に等しいものって、
案外と仕事にも多そうです。
月次報告だけの役員会議とか、
意味不明な記念式典とか……。

いずれにしも、
そんな「大きな無駄」をできるだけ少なくした会社が、
実戦では強い、ということになりそうですね。

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