「すべてをさらけ出し、理解し合う」必要なんてない!?

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第二期のアニメが始まり、再び私は週に1回、
癒される日々になりました。
こちら
『SPY × FAMILY』ですね。

漫画が大ヒットしているから
ご存知の方は多いでしょう。

そもそもは任務のため、偽装で作った家族。
父は敵国のスパイ。
母は殺し屋。
孤児院から引き取った娘は、
心を読める超能力者。

お互いに秘密を隠しながら
家族を演じているわけですが、
それでいて不思議に協力し合い
数々の難問を解決していく。
そんなギャグ漫画ですね。

心を読める娘のアーニャは当然、
父と母の正体を知っていますが、
自分の正体のみならず、
父と母の正体がバレると
家族が崩壊してしまうと察している。

だから様々な画策をして、
家族関係を守る。
名門校に入り、
必死に父親の役に立とうと努力する。

決して心の内を、
理解し合っているわけではない。
隠し事だらけの家族ですが、
それでもお互いのために頑張ろうとする日々が、
互いの絆をどんどん深めていくわけです。

そういえばコロナが流行ってからとくに、
「お互いに気心が知れ、
理解しあえる人間関係」がすべて。
そうでない関係はどんどん簡略化していこうとする
流れのようなものが起こっています。

会社などの人間関係は「リモートでいい」とか。
価値観の違う人間は排除しようとか。
ある種の分断もそれで起こっていますね。

でも、『SPY × FAMILY』が象徴するように、
どんなに親しい人間関係でも、
私たちはすべてを
理解し合っているわけではありません。

むしろ「隠しごとをしていること」
「相容れないこと」
「理解し合えないこと」がある前提で
相手を受け入れてこそ、
本当に信頼できる人間関係は、
築けるのではないかという気がします。

「わかってくれない」とか
「心が通じない」と考えることが、
本当は間違いなんですね。

そういえば『SPY × FAMILY』の初期の話に、
娘のアーニャが心を読んで、
泥棒を発見する話があります。

そのとき彼女は、
「あれ、食べたい!」と泥棒のそばのお店を指差す。
父は「また、食べものか」と反応しますが、
そこにいる不審人物にすぐ気づき、
捕まえることができた。

お互いに理解し合ってなどいないのですが、
娘は父の敏感さをますます尊敬し、
父は偶然だけど、ラッキーをもたらした娘を
「より可愛い存在」に感じていくわけです。

こういう「誤解」であったり、
「勝手な解釈」のようなものが、
本当は人間関係を育てていく重要な要素なんですね。

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