「天国なんてないと想像してごらん。
やろうと思えば、決して難しくないはず。
地の底に地獄なんてなく、
頭上にあるのは、ただ空だけ。
すべての人がただ、今日のためにだけ生きている。
そんなふうに想像してみよう」
ジョン・レノン、「Imagine」ですね。
久しぶりに私は「Collection」の
レコードを取り出してみました。
久しぶりにかけてみると、おっレコードの音!
このほうが自分、音は好きかもしれない。
12月8日は、ジョン・レノンが、
ニューヨークで銃弾に倒れた日。
1980年のことですから、もう42年も前の話です。
生きていればレノンも、
82歳になっているんですね。
ビートルズの解散、
そしてこの「Imagine」の曲が創られたときからも、
すでに50年以上が経っています。
そんななかでジョン・レノンが想像した
「国なんてものがない世界」は、
かなりなところまで現実になっているのかもしれませんね。
今のネットの世界を見たら、
ジョン・レノンは何を思うだろう。
なんせネット世界ですら体験しないうちに
彼は世を去っています。
現在を見れば、彼の母国のイギリスでは
とうとうインド系の首相も誕生しました。
今回のワールドカップを見ても、
ドイツやスペインのような国ですら、
アフリカ系とかアジア系の選手がいる。
日本でもコンビニに行けば、
たいていは外国の方が働いていますが、
それくらい「国」という枠組みは
すでに世界から失われようとしているわけです。
でも、一方でそのぶん
精神的な分断は進み、
争いがなくなっていないことも事実。
その理由として、
文化の垣根を超えたことはいいけれど、
私たちの成長がそれに追いつかず、
相手の文化をリスペクトすることに
欠けている傾向が出ていますね。
だからこそ私のように古典の現代語訳をする人間は、
たくさんの文化や考え方を
よりよく人々に伝えていきたいな
……とは思うわけです。
いずれにしろ、ここ数年でいえば、
私たちもすっかり閉じこもっていて、
足元にしろ頭上にしろ、
ちゃんと見ない日々を過ごしすぎた感もあります。
大切なものをしっかり確認し、
「今日」という日をもっと真剣に生きなさいと、
改めてジョンの言葉を戒めにしたいですね。