「おれは最強だ!」
そんな言葉を糧に世界の頂点に立ってきた
レジェンド中のレジェンド。
パラリンピック「車いすテニス」の王者、
国枝慎吾選手が引退するそうですね。
38歳、「やることは十分にやりきった」とのこと。
2021年、東京で金メダルを獲得したあと、
2022年ではウィンブルドンを制し、
「生涯ゴールデンスラム」を達成しています。
実際、この方のキャリアは、書けばキリがなくなるくらい
本当にすごいものです。
4大大会では歴代最高の50回優勝。
世界ランキングでは現在も継続している10回の1位。
パラリンピックには5回出場し、
4個の金メダルを獲得しています。
あのジョコビッチ選手からは、
「真の王者だ」と言う言葉も贈られました。
そんな凄さに驚く反面、
どうしてもこのスポーツに対する
敷居の高さも感じてしまいます。
今、私も腰の痛みを背負っていますが、
随分よくなっているにもかかわらず、
立ち上がるときの激痛を思い出すと、
体がどうしてもこわばってしまう。
パラリンピックスポーツの選手というのは、
その何倍もの苦しみを克服しながら、
己の技を極めているわけです。
その苦労を考えると、
国枝選手を超える強力な新星というのは、
なかなか登場するのに難易度が高い。
そうしたジレンマを、
このスポーツを支えてきたレジェンドは
感じていたのかもしれません。
国枝選手が脊髄腫瘍を発症し、
車いす生活になったのは9歳のときだそうです。
だから通常のテニスは知らない。
先が見えない闇の世界で
何度もの挫折を繰り返しながら、
「おれは最強だ!」という自己暗示で
自分を鼓舞して戦ってきました。
そんな勢いで、これからは言葉でもって
「自分を弱い」と思っている多くの人に力を与え
必ずしもマイノリティに優しくない、
この日本を変えていってくだされば
素晴らしいと思いますね。
むしろこれからの活躍に期待したい気がします!