「下を向いていたら、虹を見つけることはできないよ」

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「下を向いていたら、虹を見つけることはできないよ」

こちらは世界の喜劇王、
チャールズ・チャップリンの有名な言葉ですね。

4月16日は、チャップリンさんの誕生日。
生誕134年になるようですが、
世界的にも「チャップリンデー」として
名優の思い出を偲ぶ日になっているそうです。

この有名な言葉、あまり知られていませんが。
『サーカス』というチャップリンさんの映画で、
主演した当人が歌う曲に出てくる歌詞。

「Swing Litle Girl」という曲ですね。
YouTubeなどで検索すれば出てくると思います。
「メロディー」を聞けば、「ああ、あの曲か!」と
聞いたことがあるかも。

映画ではサーカス団に流れ着いた放浪者のチャップリンが、
好きになった空中ブランコ乗りの女の子を
慰めるために歌っていたと思います。

でも、この『サーカス』という映画、
公開は1929年で、サイレント作品です。
なのにどうして、
歌った曲が有名になっているんでしょう。

じつは1970年に、
チャップリンはこの映画に音声をつけ、
リバイバル公開をしているんですね。

幼い頃に両親を失い、
孤児院や貧民院を点々としながら、
職人や新聞の売り子、印刷工など、
あらゆる仕事を子供の頃からしていたチャップリン。

それだけに貧しい労働者の気持ちをよくわかり、
彼らを応援する映画を創り続けていました。

でもその姿勢は、ハリウッドでの成功後、
アメリカでは共産主義者とみなされ、
ヒットメーカーであるものの、
一方では危険視される存在だったんですね。

だからこの「サーカス」は、
アカデミー賞のノミネートを拒否され、
特別賞の授与になったと言われます。
自ら綱渡りのスタントまでして映画に臨んだチャップリンさんは、
作品賞、監督賞、主演男優賞の機会を逃したわけです。
さぞ無念だったのではないか。

のちにチャップリンは追われるようにアメリカを離れ、
スイスに移住しますが、
そんな中でかつての名作もリメイク。
その1つに選んだ『サーカス』で、自ら歌ったのが、
この曲だったわけです。

「下を向いていたら、虹を見つけることはできないよ」

なるほど、人生は苦難の連続だけど、
それでも上を見上げていこう……と。

私たちもそんなふうにありたいですね。

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