蔦屋重三郎って何者なのか?

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画像の人物、
蔦屋重三郎という18世紀・江戸時代の方ですが、
つい先日、大きな話題になりました。

そう、2025年の大河ドラマ、
横浜流星さんの主演で、
その人生が描かれることになったんですね。

といって、普通の人には
あまり馴染みがない、この人。
でも、「蔦屋=ツタヤ」ということで、
あのTSUTAYAさんが、名前をリスペクトして
屋号にしている人間です。

その功績はといえば、現代で言う
「出版社」や「書店」を立ち上げた人物なんですね。

育てた作家さんをあげれば、
山東京伝に、曲亭馬琴に、十返舎一九などなど。
版画の版元として、育てた浮世絵師をあげれば、
写楽に、喜多川歌麿、歌川広重などなど……。

文学にアートにと、
まさに江戸文化の仕掛け人となった人物です。

となると、出版界に長く携わり、
古典の現代語訳をしている私としては、
非常に嬉しい話。

でも来年は確か、
紫式部さんの話だったと思うのですが、
そういう人が連続するのは
大丈夫なんだろうか……?

紫式部さんもじつは書いたテーマとしては
相当過激ですが、
おそらく蔦屋重三郎さんは、その非ではありません。

というのも、もともとこの方は、
吉原の遊郭で働いていた人間です。

出版社であり、本屋さんの「蔦屋」を立ち上げたのも、
その吉原の大門のそば。

発行したのは、「遊郭のガイドブック」や
「おすすめ遊女さん紹介」のようなものですから、
要するに「風俗情報誌」を出版したわけです。
今ではその手の専門誌って、出版界に残っているのだろうか?
完全に「エロ本」の類ですよね。
PLAYBOYの元祖みたいなものか。
でもこれ、本当に放送して大丈夫なんだろうか……(笑)

まあ、そんななかで際どい芸術性で勝負している
作家さんや絵師の方々を守りながら
ときに幕府と闘い、何度も処罰されながらも
庶民に愛される作品を世に出し続けたんですね。

そう考えると、言論文化や芸術発信の見本のような人物。
作家や画家たちに、非常に愛された方のようです。

私も他人事ではありませんが、これからはAIにより
著作物の価値が大きな危機を迎える時代になっていきます。
そんな時代だからこそ、
ぜひ私たちが知っておく人なのかもしれませんね。

2年後を楽しみにしましょう!

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