若きレーサーが「クルマ」にかけた夢

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こちらの画像、最近、見る機会が少なくなりましたが、
2023年のF1レースにおける、
「マクラーレン」のマシンですね。

その昔ほど勝てていませんが、
レースのありようが大きく変わってしまった現在でも、
メルセデスのエンジンを積み、
優勝を狙うF1チームとして頑張っているようです。

ただ、私の子供のころといえば、
マクラーレンといえば、ホンダエンジンで、
アイルトン・セナやアラン・プロストを擁し、
2人で1、2位を毎回のように独占するようなチームでした。

そのころは赤と白の「マルボロ」カラーだったわけですが、
現在は時代を反映し、
タバコのスポンサーが禁止されているそうなんですね。
現在は「グーグル」や「デル・コンピュータ」がスポンサーで、
それはそれで格好いいんですが、少し残念ですよね。

8月30日は、
この「マクラーレン」のチームを作った、
「ブルース・マクラーレン」という方の
誕生日だそうです。
今年で86年になります。

なんせこの人、画期的なのは、
レーサーでありながら、
自分でチームを作ってしまったことです。

じつはブルースさん、
子供のころに病気で足に障害を抱えてしまって、
ずっと歩くときは足を引きずっていたといいます。

ところが車の運転では才能を発揮し、
「天才レーサー」として一躍注目されます。

でもメーカーの思惑に縛られるチーム経営に疑問を感じ、
「もっと運転者が楽しめる環境を目指すべきだ」と、
26歳にして、
まったく独立したチーム結成してしまうわけです。

しかも彼には有力なレーサーが賛同し、
彼らを仲間に加え、
しばらく優勝を独占したとか。
60年代のことですが、型破りなレーサーがいたんですね。

車の喜びを世界に伝えたいと、
たくさんのレーサーを育て、
またゆくゆくは公道を走る車も製造していくのが
ブルースさんの夢。

ですが、1970年、
まだ32歳だったのですが、
ブルースさんはテストドライブ中に事故を起こし、
帰らぬ人となってしまいます。
くしくも後にマクラーレンが生み出した英雄、
アイルトン・セナと同じ、
10年間の短いレーサー生命でした。

ただ、彼の夢は大勢の後継者に受け継がれ、
F1チームは今も継続、
公道を走るスーパーカーも誕生し、
現在は「T50」というモデルがちゃんと販売されています。
日本ではほとんど見ませんが……。

効率重視もいいのですが、
運転を楽しむ文化は、世の中からなくなってほしくない。
そう思う私にとっては、
ブルースさんの夢はいつまでも誰かが
継いでいってほしいものです。

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