「負けざる者たち」の栄誉
- 2023/10/30
- できる人研究所
「私を覆う漆黒の夜
鉄格子にひそむ奈落の闇
私はあらゆる神に感謝する
我が魂が征服されぬことを」
こちらはウィリアム・アーネスト・ヘンリーという
詩人の『インビクタス(負けざる者たち)』
という詩。
南アフリカで人種差別政策撤廃を成し遂げた
マンデラ大統領が信条とした詩であり、
そのまま、モーガン・フリーマンさんと
マット・デイモンさんが主演し、
クリント・イーストウッドさんが監督した
映画のタイトルになっていました。
この映画で描かれたのは、
南アフリカ、ラグビー代表チームの誕生秘話。
その南アフリカが、昨年に続く快挙でした。
フランスで行なわれていたワールドカップ。
見事にニュージーランドのオールブラックスを破り、
史上最多、4度目の優勝だそうです。
最後はテレビで観ていたのですが、
12対11という、ラグビーらしくない
低い得点での接戦です。
決勝戦というのは、こういう試合になるんですね。
どちらもすごかったのですが、
決定的な場面で反則をしてしまったニュージーランドが、
最後は破れることになりました。
南アフリカのラグビー代表は、
そもそもマンデラ大統領が
白人たちと黒人たちとの融合を図り、
「両者が公平に協力し合う見本の姿」となるべく
組織されたチーム。
今回のワールドカップでも
人種差別発言が問題になりましたが、
この国の現状も合わせて
課題がまだあることは否めません。
それでも現在、初の黒人のキャプテン、
シヤ・コルシ選手が率いるようになってから
2大会連続の優勝です。
人種の和解を象徴するチームが
世界の頂点に立っている姿。
人類がやるべきことを、
まさに示している気がしますね。
そういえば、この南アフリカを日本が破り、
ジャイアント・キリングと言われたのは
何年前だったか?
母国が破れると途端に興味を失われた
ラグビーのワールドカップですが、
このレベルで試合ができるよう
期待したいものですね。