昨年に発売された本、
編集のお手伝いをしていますが、好評のようです。
『88歳医師の
読むだけで気持ちがスッと軽くなる本』
(三笠書房、1265円)
ですね。
著者は、浜松医科大学名誉教授の高田明和さん。
80代でたくさんの本を書いている
医学者の大先生……ですが、
アンチエイジングに対する医療については
「限界」も感じているそうです。
確かに医学の発展で、多くの病気を予防したり、
治療することは可能になった。
だから、がんや成人病など、
多くの病で死亡率が減り、
平均寿命はどんどん長くなっています。
ところがその一方で、
心の老化がかなり深刻になっている……。
「現実の世の中を見れば、
歳をとって『辛さ』を感じる人が、
この日本にはものすごく多くいらっしゃいます。
それはとくに、
『うつ』になる高齢者の多さが象徴しています。
近年、さまざまな心のケアが行なわれるようになり、
全体的な自殺者は日本でかなり減ってします。
しかしその分、60歳代の自殺者が増えているのです」
「また、うつから認知症へと移行する
高齢者が多くなっているのも日本の特徴です」
なるほど、体の老化防止に対し、
心の老化防止は、
なかなか間に合っていないわけです。
ところが先生は、こんなことも言っています。
「医学者は歴史を通じて、
さまざまなアプローチを試してきましたが、
いまだ、その解決策を導き出していません」
「その一方で、哲学者・宗教者・作家などの
心の専門家であったり、
エンターテイメントや音楽の業界で
人を楽しませてきた人々は、
科学者たちよりずっと心の問題を正面から見据え、
さまざまなアドバイスを私たちに残してきました」
そこで医学だけでなく、歴史、人文、
エンターテイメントなど、あらゆる業界の
「歳をとっても活躍している人」の言動を研究し、
その言葉とともに、
医学的な「楽しく歳をとる方法」を検証しているのが
本書なんですね。
偉人とされる人、宗教者、作家、アーティスト、
俳優など、さまざまな分野で活躍する方が残した言葉を
軸にして、生きる知恵が語られています。
なるほど、これはわかりやすいし、
ためになることが多い。
「自分はまだ若い」と思っている人でも、
衰えを感じたときに、どう対処するか?
自分の考え方を修正するためにも、
読んでおくといい本かもしれません!
ちなみに、いちばん最初に出てくるのは、
こちらの言葉。
「年をとると、本当に生きている感じがしてくる。
バイタリティが高くなり、いろいろなことに興味が湧くし、
知性と気品が増してきて、人生に広がりが出る」
……ジェイミー・リー・カーティス(アメリカの女優)
そんな人生に、ぜひしたいものですね。
お勧めです!!