「悪が勝つのは善人が何もしないからだ」
こちらはロシアのジャーナリストであり、
弁護士であり、政治家、
アレクセイ・ナワリヌイさんの言葉ですね。
事実上、プーチン大統領の独裁が続くロシアにあって、
一貫して政府への批判を続けた人物でしたが、
とうとう北極圏の刑務所で47歳の生涯を終えたそうです。
死因はまあ、判明することもないのでしょうね……。
彼のやり方は賛否両論でしょうが、
「よくそんなことができるな」という
壮絶な人生です。
独裁者に抗議したことで、何度も何度も逮捕され、
そのたびに暴力も受けた……。
挙句、毒をもられ、
死にかけながらそれでもロシアに戻り、
逮捕されれば、監獄から抗議運動を続ける……。
何をされようが、
自分は正しいことをしているつもりだから、
主張を変えるつもりもない。
そのバカ正直さは、幕末の思想家、
吉田松陰さんを彷彿させますが、
それでも2024年に北極圏の刑務所に送られてからは、
自身の死を覚悟していたそうです。
自分がいなくなっても、
世の中を変えることを諦めないでほしい……と、
メディアのインタビューには答えていたとのこと。
本当に強い精神を持っていたんですね……。
ここまで過酷な環境に置かれながら、
それでも自分が「正しい」と
信じる行動を続けられるか?
「正しい」と信じるメッセージを
発信し続けることができるか?
私のような凡人には、到底ムリ……と
思ってしまうのですが、
それでも彼らのような存在があるから、
世の中は少しずつ変わっていくのだろうなと
思います。
日本の吉田松陰や橋本左内、
あるいは坂本龍馬もしかり。
海外ではガンジーやキング牧師もそうですが、
彼らは別に、
世の中を変えた「当事者」ではありません。
道半ばにして、世を去っている。
変わった先の世界を見れたわけではない。
でも、その存在があったからこそ、
時間をかけてでも世の中は確実に変わっていた。
困難な状況に耐えながら、挑み続けたことは
決して無駄にならないわけです。
そうした意味では、ロシアの改革もまだこれから。
長くなっている戦争の終結も含め、
平和な世界が実現することを願っています。