誰がこの「土用の丑の大ヒット」を生み出したのか?

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7月24日は、「土用の丑の日」でしたね。

ささやかでしたが、こちらは家で頂くことができた
「鰻丼」です。

スーパーで買った1本2300円の鰻を
母親と2人で分けたもの。
十分に美味しくいただきました。
ありがたいことでございます。

それにしても、この日は皆が食べている
この鰻。

土用の丑に食べるといいのは、
あの発明家の平賀源内が創り出した
キャッチコピーだ……という話があります。

なぜに平賀源内が?

科学者として知られる源内さんですが、
その活動はといえば、興行師であり、
鉱山開発の事業化であり、コンサルタントであり、
作家でありと、様々な仕事をしていました。

そんな彼が商売に行き詰まっていた
鰻屋さんに力を貸し、
「夏バテに鰻がいいんだ」という話題をバズらせ、
江戸町人の慣習にしてしまった……。

だとしたらスゴいのですが、
それが本当かどうかは源内の伝記にもなく、
じつはかなり疑わしいとのこと。

もう1人の候補として、
源内さんとほぼ同時期くらいに活躍していた
江戸時代の狂歌師であり、文芸評論家、
大田南畝さんという人がいます。

こちらは鰻に関する詩も詠んでいたそうですから、
源内さん以上に可能性はあるかもしれませんね。

ただ、江戸の文化人と鰻が結び付き、
「キャッチコピーが創られた」という
都市伝説が誕生した背景も重要です。

じつはこの夏の時期、
鰻というのは「旬」ではありません。
最近は養殖が多いから異なってはきますが、
本来は秋のほうが脂も乗り、
身も大きくなるらしい。

ところが秋には他にたくさんの旬があるから、
目立つ食材にはなりません。
それに鰻が持っている栄養は、
やはり夏バテにもいいし。
食べて喜ぶお客さんも多かった。

こうした事情から、
「土用の丑にウナギを食べる」という慣習は、
多くの日本人が「それ、いい!」と
同調したのでしょう。
そして後付けで、様々な伝承が加わっていった。

ならばやっぱり、少しでもいいから、
慣習には乗っておきたいかも。
8月にも土用の丑はありますので、今から楽しみにしたいです。

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