「マイクロRNA」って何だろう?

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日本人が受賞していない……ということで、
あまり話題になっていませんが
「ノーベル生理学・医学賞」が
すでに発表されています。

アメリカ・マサチューセッツ大学の
ビクター・アンブロス教授と、
ハーバード大学のゲイリー・ラブカン教授。
2人の功績は、
「マイクロRNA分子」を発見したというもの。

小さな寄生虫である
「線虫」の遺伝子活動を研究することで、
このものすごく小さな分子の活動を
突き止めたんですね。

といって、「それ何?」ですよね。
功績がどういうものなのか、よくわからない。

でも、調べてみると人間にとっても
非常に重要な機能を果たしているものです。

一般的に私たちの遺伝子が分裂するとき、
まず「RNA」というタンパク質が、
遺伝子の「DNA」を移し取り、
転写するような形でタンパク質を合成し、
遺伝子の分身を作り上げます。

線虫と同様、
私たちはこのメカニズムを持っているから、
怪我をしても病気をしても、
正しい細胞で筋肉や骨を再生し、
健康に生きていくことができるわけです。

このときRNAの中にあって、
調整役をしているのが
「マイクロRNA」という小さな分子だとのこと。

たとえば、生物の体内では
遺伝子合成のエラーによって、
「がん遺伝子」ができることがあります。

普通にこれをRNAが転写したら、
がん細胞はそのままコピーされ、
どんどん増えていくことになりますね。

そこで「マイクロRNA」が調整をする。
このRNAにはコピー能力こそありませんが、
全体のRNAに、
「コイツをあまり量産するのはやめようぜ」と
働きかける機能は持っているらしい。

逆もまたしかりで、
がん遺伝子が増えると、
その抑制遺伝子をコピーする際に、
「コイツをちょっと多めに作ろうぜ」なんて、
全体的な調整を図るとのこと。

ということは、がんのほか、
さまざまな病気の治療にも活用できる
大きな可能性を持っているのが、
この「マイクロRNA」なんですね。

なるほど、2人の功績を大いに讃え、
今後の研究に期待していきましょう!

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