「感じたこと」を言葉にしていく大切さ

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「俺はおとつい死んだから
もう今日に何の意味もない。
おかげで意味じゃないものがよく分る
もっとしつこく触っておけばよかったなあ
あのひとのふくらはぎに」

こちらは1991年に
谷川俊太郎さんが発表している
「ふくらはぎ」という詩。

先日、92歳の長い人生を閉じられましたが、
どこかで誰かが読んでいる詩の数々。

私は子供の頃、
「スイミー」という話が大好きでしたが、
小さな魚たちが寄り添い、
大きな魚のふりをして、敵を追い払う話。
あれは谷川さんの訳だったのですね。
教科書の定番になっています。

そんな谷川さんが、
「自分が死んだ後のこと」を
想定して書いたこの詩。

「俺はおとつい死んだのに
世界は滅びる気配もない」

自分1人の人間の生死が
世界にどれだけ影響するかなんて、
考える意味はない。

それよりも、今生きている自分が、
生きている喜びを精一杯に感じることが
大事なんだ……ということですね。

それが、まあ「ふくらはぎ」ということになる。
わかりやすいけど、真理に近いかも(笑)

でも、情報過多のこの時代、
私たちはネットを通じて、
「他人が感じること」や「他人が考えること」に流され、
自分自身がどう感じるかや、
自分自身がどう考えるかを、
つい、おろそかにしてしまいます。

「自分に必要な言葉を選ぶことが
難しくなっているのではないかな。
知識は大事だけれど、
そこから知恵が生まれなければ意味がありません」

とは、谷川俊太郎さんの言葉。

間違ってもいいし、
ときどきはずれてしまってもいい。
でも、他人の言葉を否定するばかりでなく、
いろんな言葉に聞く耳をもって
その上で自分の考えを言葉にして、
考察を繰り返すことは
試みていきたいですね。

先代が築いてくれた言葉の文化。
これからも大切にしていきましょう!

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