「自然界の奥深い真相、本質は、
まだまだわからないことだらけだ。
だからこそ我々の誰にでも可能性はあり、
新たな発見から、
人間界や自然界の進化に寄与することができる」
こちらはドイツの気象学者であり、
地球物理学者である
アルフレッド・ウェゲナー教授の言葉。
今から123年前の1912年1月6日、
彼は「大陸移動説」を発表して
世界から注目されました。
2億年前から3億年くらい前、
世界は画像のように1つの大陸だった。
考えてみれば、ものすごく壮大な話ですよね。
「大陸移動」を思いついたのは、
何気なく世界地図を見ていたとき。
アフリカの東海岸と南米の西海岸は、
破れた新聞紙のように、
ピタッとくっつくのではないか……。
そこまでなら誰でもが思いつきそうですが、
彼は世界をパズルのように組み合わせ、
「全世界は1つの大陸が分裂することによって
誕生した」という
大胆な説を提唱したんですね。
現代では常識ですが、
当時の世界の科学者は、
まさか「大陸が動く」なんてことを
受け入れられません。
そこでウェゲナーの説は。
荒唐無稽と非難されたのですが、
彼はまったく諦めない。
太古からの氷河や地質が存在している
グリーランドで調査を繰り返し、
自らの理論の精度を高めていったんです。
しかし彼は50歳のとき、
5度目のグリーンランド調査で悪天候により遭難。
帰らぬ人となってしまいます。
その後、マントル対流の流れや、
世界が「プレート」と呼ばれる
いくつかの層から成り立っていることが証明され、
ウェゲナーの大陸移動説はおおむね
正しかったことが証明されたわけです。
残念ながら彼は、それを
知るよりもなかったのですが、
自分を信じ、あくなく追求を続けた彼の姿勢は、
見習いたいものですね。